日本の美

日曜夜8時のテレビと言えばNHKの大河ドラマを観ると決めている方も多いと思う。
我が家も昨年まではそうだった。が、今年は観ていない。なぜなら、江戸幕府好きの長女が坂本龍馬嫌いだからである。龍馬が話題に上ると、「世の中、龍馬を過大評価しすぎている!」と怒り出す。歴史小説の読み過ぎだよ…

と言うわけで、日曜夜のテレビと言えば、大抵、NHK教育テレビの「こども手話ニュース」から「日曜美術館」(再放送)になだれこむことが多い。
5月2日は葛飾北斎がテーマ。
この日の放送で、「富嶽百景」は北斎が75歳のときの作品だと初めて知った。北斎はこの頃、「70歳までに描いた絵は何ととるに足らないものか」と振り返り、90歳になったら奥義を究められるだろう、100歳を超えたら何でも思い通りに描けるだろうと、強い意欲を示していたのだそうだ。
結局90歳で亡くなったが、天に召される寸前まで自分にとっての理想の絵を追い求めていたとのこと。さすが、「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」に選ばれる理由はここにあるんだなぁ。

この番組を観た後、「日本の曖昧力」という本を読んだ。「日本は世界でどのように評価されているか」を多角的に分析したものなのだが、今、日本が「技術大国」「経済大国」として存在しているのは「美の大国」であることが土台にあってこそ、という指摘に納得した。太古の時代から培われてきた美意識(奥ゆかしさや「わび」「さび」という特徴を持つもの)が、立ち居振る舞いや言葉遣い、芸術などに表れるという分析に、日本人はもっと自信を持つべし、と思う一方で、その文化が今後も継承できるか、一抹の不安を感じた。
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by miki_renge | 2010-05-05 06:48 | 社会・経済一般
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