マタニティ・ハラスメント

働く女性とマタニティ・ハラスメント」という本を読んだ。
ショックだったのは、この本が2009年9月に発行されたばかりということ。ここにある内容は私がほぼ10年前に経験したこととほぼ同じ。世の中、全然変わっていないんだなぁ。

本書の特徴的なのは、産む性である女性について、「妊娠期」にスポットを当てたことだ。男女共同参画の流れから、「産んだ後の育児」については研究はそれなりに進んでいるし、実際に性的役割分業は崩れつつある。しかし出産までの10ヶ月でも、さまざまな葛藤があるはず。「母性保護」が充実しているように思えないのはなぜだろう。

言うまでもなく、妊娠は女性にとって大仕事のはず。悪阻、切迫流早産など、乗り越えなければならない壁は多い。なのに、「●●さんは(無理をしても)大丈夫だった」と比較され、「今(妊娠中)頑張らなきゃ、復帰後に温かく迎えてもらえない」とプレッシャーを自らにかけてしまう。職場の目が怖くて、マタニティウェアなんて着られない。本来、ゆったりと満ち足りた気持ちで過ごしたい妊娠期に、ものすごい緊張感を抱いてしまう状況では、「子供のために」と退職する女性がいても不思議でない。

もう一つ、本書では総合職と一般職という区分についても触れている。「就業継続を前提とする総合職」と「前提としない一般職」という暗黙の了解?からは、イコール「働き続けるのは特別な人たちだけ」という思い込みが透けて見える。

私自身は何度も書いているように、長女のときは無理を重ねて早産、次女のときも重度悪阻と切迫早産でトータル2ヶ月半ほど入院している。長女の前には流産もした。
本書で紹介された「妊娠による体調不良が女性の『責任』とされるならば、『保護』を求めることは自己管理能力に欠ける者の要求となってしまう」という現実は、何としても変えなければならないと思う(一方で、「優遇されすぎて仕事を与えてもらえない」という悩みもあるようだが、このバランスも難しい。個人的には妊娠期間中は大事にしすぎるくらいがちょうどいいように思うのだが)。
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by miki_renge | 2010-05-13 06:48 | 女性と仕事
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