「高校中退」をどうみるか

ドキュメント高校中退-いま、貧困が生まれる場所」という本を読んだ。

高校中退率は、文部科学省の調査によると2%前後。著者は「この数字がまやかし」だと指摘する。筆者の計算方法(詳細は割愛するが、母集団を学校全体とせずに学年毎とする)によると、8%という高率となる。そして中退は、その地域の「底辺校」に集中していること、その背景には「貧困」が横たわっていることを、著者はデータにより浮かび上がらせている。

分析の中で特に共感したのは、「日本の学校では小学校の低学年で『落ちこぼれた』子供達を救う手立てはほとんどない」という部分である。「小学校低学年レベルで落ちこぼれるなんてよほどのことだ」と思われるかも知れない。しかし、その「よほどのこと」が、徐々に珍しくなくなってきているのでは…と、小学生の母としても感じる。学級崩壊、親による暴力やネグレクト、夜遅くまで帰宅しない(できない)両親。家庭に生活力がなければ、学力もつくまい。逆に(本書では触れられていないが)親の過度な期待に押しつぶされてしまうケースも現に身近に起きている。
自分自身、子供に目をかけるように、一方で追い詰めないように、必死だ。

小学生の時点で子供が教育から排除されたら、挽回は容易ではない。著者は「教育はセーフティネットという事後的な救済ではダメ」と主張しているが、その通りだと思う。しかし実際は、「厄介払いしたい学校、教育委員会」の壁がある。

さて、1点だけ著者に反論するなら、この解決策が「高校無償化と義務化」で良いのかということである。私はむしろ、「高校くらい出ておかないとまともな就職は難しい」という現状の方が問題だと考える。
限られた国家予算、これからの少子高齢化(=労働力減少)を勘案すると、「社会に出て生きていける力(学力、生活能力)を義務教育9年間のうちにしっかりつけさせる」ことを目指した方が現実的ではないだろうか。
「高卒」という学歴が欲しくて、興味もないのに勉強させられている方が気の毒だし、時間の無駄。これは大学にも言えることだが。その代わり、いつからでも学び直せるようなシステムがあると良いと思う。

そういえば、嵐にも「入学式から3日目で高校を辞めた」メンバーがいましたねぇ。それでもお母様は何も言わず、ただやりたいことを応援してくれていたのだとか。義務教育期間中も「勉強しなさい」とは一言も言わなかったそうだが、できることなら、彼のお母様にお話をうかがいたい。
NHK紅白の司会が決まり、嬉しいのか、心配なのか、自分でも分からない…
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by miki_renge | 2010-11-04 05:53 | 社会・経済一般
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