「当たり前」の実践で得られること

先日、幸運にも、日本理化学工業様の工場見学をさせていただく機会を得た。
日本一のチョークメーカーで、全従業員74名のうち55名の知的障がい者がいる、「日本でいちばん大切にしたい会社」で紹介された会社さんである。
数年前、大山会長の講演を聴いてから、いつか実際に障がいをお持ちの方が働いている様子を見てみたいと思っていた。

会議室に通され、まず大山会長の説明を聴く。障がい者があろうとなかろうと、あるいはどんな立場であろうと、誰かに役に立ち必要とされることこそが人の幸せであると、確認する。
会議室には、従業員それぞれの「今年の目標」が貼り出されていた。「報告・連絡・相談する」というような基本的な目標であるが、達成度合いはしっかりチェックされるという。

その後、工場に案内していただく。生産ラインで黙々と働く従業員さん達。ほとんどが障がいをお持ちの方というが、そんなことは何も気にならない。とにかく皆、一生懸命自分の仕事に取り組んでいる。それでいて、我々見学者が視界に入ると丁寧に挨拶してくれる。
ふとフロアを見回すと、整理整頓が行き届いていることに気づく。実に機能的なレイアウトでもある。
一方で、時間や数の概念が掴みにくい人のために、砂時計を活用したり、秤の目盛が読めなくても分銅の色で分かるようにしたり。ごく普通に働くための、ちょっとした工夫がなされている。

一通りの見学を終え、強く思ったのは、「確かに工夫はあるけれど、いい意味で“普通”だよね」ということ。ただ、「目標の与え方や整理整頓など、基本を徹底的に押さえている」のだ。
そう考えると、障がい者雇用って意外に容易なのかも知れない。「ここまでしかできないのではないか」という偏見さえなくなれば。
長女よ、将来は明るいぞ!(笑)

さて、その翌日。昨年共著で出した本の出版記念セミナーということで、教育担当者の方を対象にお話させていただいたのだが、社員教育の成否も結局、「当たり前のことをいかに丁寧にできるか」にかかっているんだよな、と自ら確認。
自分自身はどうだろう…と、立ち止まって考えてみる。
日本理化学工業の大山会長の「健常者はショートカットしようとして、失敗してしまうんですよね」という優しげな声が、頭の中でリフレインする。
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by miki_renge | 2011-01-21 21:53 | 仕事場にて
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