年金制度改革の難しさ

衆議院予算委員会で「7万円の最低保障年金の財源をどうするか云々…」の議論が交わされている折、「大貧困社会」という本を読んだ。
セーフティネットをどう整備していくかを詳しく論じたもので、読み応えがあった。特に年金制度については、自分の知識の浅薄さを思い知らされた。

たとえば、戦後の厚生年金制度がスタートしたときの保険料は3%だったこと。
しかし「積立方式」を維持するためには、本来なら15%の保険料を徴収すべきだったこと。
「積立方式」で始まったはずが、いつのまにか「賦課方式」(若い世代からの先送り方式)になっていたこと。
世代別に支払った保険料にふさわしい給付を調整するには、今の高齢者の年金を少なくとも3~4割カットしなければならないこと。

特に高度経済成長期の「高福祉・低負担」のツケを我々現役世代が払っているのだなぁと思うと、暗澹たる気持ちになった。

筆者は、「原則すべての国民を対象にに所得比例で保険料を徴収し、現役時代の平均所得と加入期間に応じて年金給付を行う」新型厚生年金の導入を基本にすえつつ、これが一定以下の高齢者については、全額税方式の最低保障年金を保障する案を提示している。私もこれに賛成だ。今の制度(特に基礎年金=国民年金)の不公平感を解消できそうだからである。

ただ、年金で見逃せないのは「経過措置」である。
これがあるから、年金は複雑怪奇なものになってしまっているのだ。実際、現に年金をもらっている人、間もなく年金をもらう人への「激変緩和措置」を考えていると、ズルズルと行ってしまうんだろうな。

もう一つ重要なのは、「自営業者の所得の捕捉」である。これは「医療保険一元化」の項にも触れられており、絶対条件と思う。しかしこの辺り、現実的にどこまで踏み込めるのかなぁ…

年金はどうしても「世代間の対立」を招きがち。
しかし筆者が主張するように、「すべての世代、国民が少しずつ我慢をしないと」いけない。そして「その利害調整をするのが政治家の役割」なんだよね。今の政治に、そこまで期待できるのか…いや、これはとてつもなく長い目で見ないと評価できないからこそ、難しい。
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by miki_renge | 2011-02-11 07:08 | 年金・保険
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