年少者の労働

先日、14歳の中学生が建設会社のアルバイト中に壁の部ブロックで下敷きになって
亡くなった事故について。
群馬県桐生市の中学校の改修工事現場で、アルバイトとして作業中に崩れた壁の下敷きになり、重体だった栃木県足利市立西中3年、石井誠人さん(14)=同市五十部(よべ)町=は7日朝、全身を強く打ち搬送先の病院で死亡した。
労働基準法は15歳未満の雇用を原則禁止しており、桐生労働基準監督署は同日、同法違反の疑いがあるとみて現場の立ち入り調査を始めた。
群馬県警によると、石井さんは6日朝から5人で体育館の壁の撤去を行い、当時はがれきを屋外に運んでいた。石井さんは6月ごろから、週末を中心に同県太田市の建設会社でアルバイトをしていたという。(毎日新聞より)

初めは、会社か本人かどちらかが年齢を偽っていたのか?と思った。
しかし、そうではないらしい。
「職場体験」という位置づけで、親の申し出もあり、学校も認めていたそうではないか。
実際は「体験」ではなく日当5千円のアルバイトであり、平日に学校を休んで働くことを学校関係者が認めていたとの報道もある。

全く、不可解な話だ。

まず、労働基準法では、「満年齢15歳に達した日以降の最初の3月31日まで(つまり義務教育期間)、児童を使用してはならない」ことになっている。例外的に軽易な労働であれば、労働基準監督署長の許可を得た上で、就業時間外に労働させても良いことになってはいるけれど(子役や新聞配達はこれに当てはまる)

今回の工事現場は、どう考えても「軽易な労働」ではない。
保護者はそれで良かったの?
会社は労働基準法を知らなかったの?
学校は疑問に思わなかったの? そもそも「職場体験」の定義づけって?
あとからあとから、疑問がわいてくる。

もしも彼が働かなければならないほど生活が困窮していたとしたら、日本のセーフティネットっていったい何なんだろうと思う。子どもが労働の担い手として、学校にも行けずに朝から晩まで働いていた時代に戻りかけているのか?
一部では「どんな理由にせよ、遊びたい盛りの中学生が建設現場で働くなんて(そしてもしかしたら家計を助けていたかも知れないなんて)偉い」という声もあるようだが、これを美談にしてはいけない。恐らく真面目なお子さんだったのだろうから、気の毒だけど。

それにしても、この事故、労災はきかないよね。補償はどうなるんだろう…
この建設会社だって、最大限好意的に解釈すれば、良かれと思って受け入れたんだろうにね。
それでなくても、受注した仕事に対応するための判断だっただろうに。
コンプライアンス違反は、結局身を滅ぼす。どんなケースでも同じだ。

年少者の労働、甘く見ちゃダメだよ。
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by miki_renge | 2012-08-12 15:38 | 雇用・人事
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