「聲の形」(少年マガジン)

「少年マガジン」3月6日号で話題になっている「聲の形」
少年マンガなんて滅多に読まない(「少年マガジン」を読むのすら初めてだと思う)のだが、買ってしまった。
なぜならこのマンガ、耳の聴こえない女の子がいじめられるというお話だったからだ。全日本ろうあ連盟が監修している。

耳の聴こえない西宮硝子ちゃんは、普通学級に転入してくる。
自己紹介では、ノートに「耳がきこえません」「わたしと話すときはこのノートにお願いします」と書いて、クラスメートに見せた。

そのときはまだ、クラスが「戸惑う」くらいで済んだ。
しかし、授業中音読をさせてもまるで読めない(発音が怪しい)硝子ちゃん。
クラスメートに「なんの話をしてるんですか?」「教えてくれませんか?」とノートを出して皆に面倒がられる硝子ちゃん。
決定的だったのは、合唱コンクール。聞こえないのだから、当然音は取れない。
合唱コンクールで賞を逃したのは硝子ちゃんのせいだと、壮絶ないじめが始まった。

補聴器を壊されたり(5ヶ月で8個、総額170万円)、
聞こえないのをいいことに、悪口は言われたい放題、
唯一のコミュニケーション手段であるノートは池に捨てられ、硝子ちゃんは、心を閉ざしていく。
そして、転校していった。

最後、いじめの首謀者(と言えるのか?)と5年後に再会し、一応「和解」となり、(少年誌的には)大団円。

…うむ。
まず、障害者へのいじめをここまで真正面に捉えたマンガを世に送るには、確かに勇気のいることだったと思う。
そして、聴覚障害者がどういう場面で困るか、補聴器がどれだけ高価なものか、伝えてくれただけでも、ありがたいことだ。

ただね。
この硝子ちゃん、いい子過ぎるんだよ。
うちの長女だったら、ここまでされたら絶対に恨みに思うタイプだ。5年後に手話で話しかけられたって、たぶん心は動かない(実際、数か月単位でいじめてきた子の名前はしっかり覚えている。そしていじめのたびに、コミュニケーションに消極的になっていく…)。
これは障害の有無に限らないだろうけど、いじめた方は赦しを乞いたくて謝る、でもいじめられた方は心に負った傷が深ければ、こんなに簡単に赦さないだろう。
…いや、ショータだから赦すのか?あの陰湿な学級委員の女の子達や、当時の担任が相手なら、さすがに赦さないかも。

まぁ、「俺たちは西宮という人種に疲れていた」は、リアル。聴覚障害って、関係性の障害だもの。会話でコミュニケーションが成立しないって、そりゃ、疲れるだろうね。と、難聴の長女を見ていても思う。
うちも学校から長女の障害に関して、「周囲に理解はされているかも知れないけれど、納得はされていない」と言われた。納得までしてもらおうとすると、健聴の皆々様に多大な負担をおかけしてしまう。これが現実。解決策はあるのか、私が聞きたい。
「なぜ聾学校に行かないのか?」という意見もあろうが、それはまた別の機会に譲る(が、一言言えば、聾学校=特別支援学校の数は減っているし、生活に支障をきたす聴力レベルであっても入れてもらえないことはある。手帳取得の基準がいかに高いハードルかも伝えたい。)

ちなみにうちの長女も、合唱コンクールは大の苦手。
高校では、絶対に合唱コンクールのない学校に行きたいと言っている。
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by miki_renge | 2013-02-25 12:29 | 家族・育児
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