「しんがり」

ただいま、「しんがり」という本を読んでいる。
山一証券の残務処理に当たった社員さんについて取材した本。著者は巨人のナベツネ氏と戦った、あの清武英利氏。ずっと読みたかったけれど、延び延びになっていた。

知らなかった事実がたくさんった。感動とかそういう次元の話でもない、ただただ重い、けれどここから何かを得られるのでは、得なければ…という思いで読み進めた。

まず、どうしてあれだけ多額の簿外債務が発覚しなかったのか。
問題意識を感じて、告発しようと思う人は本当にいなかったのか。
悪事を働いても「何とかなる」という考え…怖いよ。不祥事や裏切りは、企業として一番やっちゃいけないことだ。そんなことは偉い役員さんなら分かっているはずなのに…なぜ?
最後の社長となった野澤氏は、社長を引き受ける際に初めてその存在を知り、立ち上がれないほどのショックを受けたというが、それはそうであろう。本のなかでは頼りない社長として描かれていたが、どう判断していいか分からなかったんじゃないか。そして「先輩」たちへの遠慮も多分にあったのではないか。それを考えると、彼も被害者なのだろう。

さて、その下で山一証券の最期を看取った「しんがり」たち。彼らの働きはここで言うまでもないだろう。精神的にも、もちろん肉体的にも極限に追い込まれながら、それでも真相を解明したいという使命感だけで突き進んだ彼ら。きっちり「落とし前」をつけたことは、今につながっている。もっとも、企業不祥事なんてそうそうあってはならないはずなのだけど。
…でも、本当はこのチームに加わりたいと思っていた元社員もいたと思うよ。真っ先に再就職に走った元社員を誰が責められようか。彼らにだって生活があるのだから。

前職の職場の傍ということもあり、新入社員の頃から少ないお給料を預けていた山一証券。自主廃業によって損もさせられたけれど、カウンターで対応してくれた同年代の女性、感じ良かったなぁ。今振り返ると、接客のプロだった。彼女は今、何をしているだろう。幸せに暮らしているかしら。
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by miki_renge | 2015-04-16 10:59 | 社会・経済一般
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