野尻知里さんの本

2月。
「冬来たりなば春遠からじ」と言うが、今年の春ほど来てほしくない季節はない。
いや、このことわざの本来の意味は、「今はつらくとも、やがて幸せは訪れる」という意味だそうだが…本当に幸せは巡ってくるのでしょうか、J事務所様。

さて、「心臓外科医がキャリアを捨ててCEOになった理由」という本を読んだ。
著者の野尻知里さんは、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2008」を受賞した方なので、記憶にあった。

ご本人は1952年生まれ。高校卒業後、京都大学理学部に入ったものの、女性が置かれた不遇な状況に愕然。1年後に医学部を再受験し合格。しかしやはり「女性だから」という理由で、希望した心臓外科医への道のりは遠い。関連病院で経験を積み、留学により最先端の技術に触れ、たどり着いたのは「医療の限界」そして「人工心臓の開発」だった-本書にはそのように記されている。

一言で言えば、とにかくエネルギッシュ。
均等法ができるはるか以前から、女性であることの壁を必死で乗り越えてきて(しかもプライベートでは出産もして)、夢を追い続けてきた方の言葉には重みがある。
「頑張りは男性の3割増しで」、でも「男のような女にはなるな」。これは非常に難しいことだが、彼女から言われると納得する。仕事の世界はまだまだ男性目線。でもそんな制約条件を嘆いていても始まらない。

男性に比べて、キャリアアップのコースが開かれていない女性。でもそれなら、自分が先駆者になればいい。別にバリバリ頑張るだけではなく、より多様な方法があると、自分から提案すればいい。
本気でチャレンジすれば、失敗しても、「何が不足したか」を徹底的に洗い出して、次への糧にできる―それを本書に教えてもらった。

ただ…本書の最後、「死ぬまでわくわくしながら働き続けたい」とあるのだが、本書が世に出て3か月後の昨年11月、野尻さんは残念ながら他界されている。
63歳、まだまだこれからだったはず。死期を悟って本書を発刊したのか、突然お亡くなりになったのかは知る由もないが、今、この本に巡り合ったご縁に感謝して、私も精一杯チャレンジしたいと思う。
[PR]
by miki_renge | 2016-02-01 09:45 | 女性と仕事
<< ドームが決まって退所が決まって アイドル事務所はどこへ行った >>