ウソを重ねた結果の悲劇

江上剛の「円満退社」を読んだ。東大を出て一流銀行の中堅支店に勤務し、ようやく定年退職を迎えた支店長の最後の一日を綴ったものである。
この最後の一日がドタバタで、部下の失踪に始まり、融資の承認前実行、ATMからの現金着服、利益供与などの事件が一気に噴出してきたところで金融庁の検査が入り・・・というストーリー。現実には起こらないだろうが(というよりこんな金融機関があったら嫌だ)ワクワクしながら読める。

どの人物にもそれなりに感情移入できる。私自身には「定年退職」という言葉はもう関係ないが、人生の長い時間を一つの会社にささげてきた人間にとって、この退職日はどのような意味を持つのか・・・感慨というより、「どうか何事もなく穏やかに過ぎ去って欲しい」というのが本音なのかも知れない。この本のように。

ドタバタではあるのだが、「問題の先送りをしてはいけない」「小さなウソを隠すためにつくウソは、結局は大きなウソを呼ぶ」という教訓も得られる。

・・・あ、この教訓、そのまま「不二家」問題に重なるなぁ。
元食品関係会社勤務の私の感覚では、こういうことをやったら再建は厳しい。小売も卸も手を出そうと思わないもの。選択肢は他にいくらでもある。ミルキー愛好家の私としては、何とも残念だけど。
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by miki_renge | 2007-01-18 12:49 | 社会・経済一般
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