難聴医学生

昨日のNHK「特報首都圏」を見た。難聴の医学生を追いかけたリポートだった。

少し前に、医師になるための欠格条項がなくなり、目が見えない、あるいは耳が聞こえないなどの障害があっても、医療行為に支障がないと判断されれば、医師免許が取れるようになった。彼は欠格条項がなくなってはじめての「聴覚障害をもつ医大生」なのだとか。

もちろん、本人の苦労は多い。大学の授業は唇を読んだり、手話通訳を付けたり。高度な専門用語が増えてきて理解するにも一苦労。それをフォローするべく、大学側も友人も、また開業医の父親も協力を惜しまない。一番の課題は患者とのコミュニケーションだが、「自信を持って大きな声で話すように」と教授からも指導を受けている。

ゲストで出られていた医師の鎌田實さんが、「彼の存在によって、周囲の医療スタッフも患者とのコミュニケーションを真剣に考えるようになる」「医療スタッフ同士も、コミュニケーションの重要性を改めて考えるようになる、非常にいいきっかけになるのでは」という趣旨のことを言っていた。アメリカでは実際に、60~70人ほど、聴覚障害を持つ医師がいると言う。

医師だけでなく、これまで考えられなかった分野(接客など)にも、身体障害者が進出するきっかけになるかも知れない、とコメントがされていた。そう、障害があっても「職業選択の自由」はある。欠格条項なんて吹っ飛ばせ!だ。「障害があるからダメ」ではなく、「障害を補う形で、物的人的フォローをする」ことを考えた方が、はるかに健全、前向きだ。

それにしても。過去には彼と同じかそれ以上に優秀な障害者が、医師になる夢を断念していたかもしれないと思うと、非常にもったいないことをしていたと思う。その一方で、彼を受け入れた帝京大学医学部はたいしたもんだ。まずは、彼がいい医者になることを心から願いたい。そして難聴者・児に夢を与えてくれる存在であって下さい。
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by miki_renge | 2007-01-20 10:21 | 雇用・人事
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