カテゴリ:雇用・人事( 141 )

「七つの会議」

GWも本日で終わり。
と言っても、10Ks以外はほぼ仕事だったけれど。
それでも、さすがにずっと仕事だけでは息が詰まると思い、以前から観たかった「七つの会議」のDVDを借りてきた。FBにも感想を書いたけれど、こちらではちょっと切り口を変えて。

「七つの会議」がNHKで放送されたのは2013年7~8月。原作は池井戸潤さんだが、私は原作は未読。
「半沢直樹」とほぼ同時期に放送されていたが、こちらは視聴率的にはさほど話題にならなかった記憶がある。でも、非常に見ごたえのあるドラマだった。

テーマは「隠蔽と内部告発」。
主人公の原島(ヒガシさん)は、地味な営業四課から花の一課の課長になる。一課の前任課長はエース的存在で業績を上げてきたが、部下からパワハラで訴えられて左遷
…というのは嘘。どうも会社の不正を知っていた前任課長を遠ざけるためだったようだ。

しかし、原島課長も、不正の事実(コストダウンのために強度不足のネジを使っていた)ことを知る。
このネジを使った商品(高速鉄道や航空機用のイス)を放置したら、重大事故につながりかねない。
しかしリコールされたら、中堅メーカーなんてひとたまりもない。どうする?
…これがだいたいのストーリー。

これはヤバいことになる…と気づいた原島課長と、カスタマーサポート室の佐野のやり取りが、前半の鍵の一つ。告発文を送った佐野に対し、原島は「会議で話し合うべきだ」と言う。しかし佐野は「会議で話し合うのは建前だけだ、本音は出ない」と突っぱねる。

そうだよねぇ、日本全国津々浦々、どこでもさまざまな種類の会議は行われている。
しかし本音で話せて、実のある会議がどれだけ行われているんだろう?
むしろ、終業後の「飲み屋で一杯」で交わされる本音の方が、何倍も組織決定に影響を与えているのでは、と考えてしまう。
何だろうね、会議って…形だけの合意形成、いわば儀式に、どれだけの人間の貴重な時間が奪われているんだろうね。
同じ方向を向かず、私利私欲で動くメンバーだけなら、やっても意味ないのに。
制約条件を変えず、無茶振りをするだけでは、人は動きたがらないのに。
客観的に見ていたら、「おっかない組織!」と思えるけれど、これだけ企業不祥事が頻発しているくらいだから、組織のなかに入ってしまえば、その感覚はなくなってしまうんだろうね。
それに、不正がバレて会社が潰れたら、多くの社員が路頭に迷い、下請にも迷惑をかけるというのは事実だものね。社会的に間違いでも、関係者への影響を考えたら、簡単には判断できないよね。

結局、内部告発により、当社の業務は営業一課を残し新会社に移管される。
これで良かったのだろうか…という余韻も残してドラマは終わる。
うーん、スカッとしなかったから、「半沢直樹」より視聴率は取れなかったのかも。
でも、こちらのドラマの方が、はるかに身近というか、自分が巻き込まれる恐れがあるシチュエーションだよね。

それにしても、原島課長の部下の佐伯浩光は大変なイケメンであった。そして一服の清涼剤であった。
メガネ男子大勝利。
誰が演じているかって?先にKAT-TUNを脱退した田口淳之介です。以後、お見知りおきを…(by絶賛田口ロス中のヲタ)
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by miki_renge | 2016-05-08 23:57 | 雇用・人事

女性の活躍推進企業データベースとか助成金とか

ありがたいことに、相変わらず忙しく過ごしている。
今週も来週も外出続きだが、出かける前に見つけた、厚生労働省の報道発表。
「女性の活躍推進企業データベース」を開設しました
女性の活躍推進企業データベースはこちら

昨年11月に行われた女性活躍推進法の説明会で、2月リリースとうかがってから、気にはなっていた。
なるほど、これは分かりやすい。
特にこれから就職活動をする方には、ありがたい情報だろう。
企業の側も、こういう面でアピールしていかないと、これからの労働力不足の折、生き残れないと思う。

300人以下の中小企業に対しても、厚生労働省が女性活躍推進事業をスタートさせるという記事が、労働新聞社のサイトに載っていた。中小企業は取り組みの差が大きいが、中小企業こそ柔軟な働き方を準備すれば優秀な人材確保のきっかけにできるはず。これも引き続き情報収集。

もう一つ。
これはもう少し前に発表されていたが、28年度の両立支援等助成金の概要もメモメモ。
男性の育児参加、介護…テーマはどんどん広がっていく。働き方の二極化を少しでも解消するために。制約があっても働きたい人が、肩身狭くならず働けるように。
異論もあるだろうが、この施策に関しては、国は本気だ、と思う。

いろいろ動いている気がして楽しみ^^
私も、このなかで何に貢献できるか、何を勉強しなければいけないか、考え続けよう。

<追記>
同日、女性活躍推進法に基づく認定マーク「えるぼし」も公表されたようです→ソースはこちら

…でも春は来てほしくない、という思いは、昨年11月24日からずっと抱き続けておりますが。11月から、ホントいろいろあったなぁ(現在進行形だけど)
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by miki_renge | 2016-02-29 10:42 | 雇用・人事

服務規律違反を考える(ジャニヲタ編)

先週の「シューイチ」の「マジっすか」のコーナーにて、アップルパイを作った中丸がパティシエの先生に「売り物になると思います」と褒められていたが、本人、「ジャニーズは副業禁止なんで」と切り返していて、飲んでいたコーヒーを吹いた。
さらに、今朝は「地方に行ったとき、楽屋におしぼりが5つあると、精神的に来る」と、 以前も聞いたネタをぶっこんでいた。
さすが帝王・中丸、ネタにする余裕ができてきたと見るべきか…

さて、申し訳ないが、私も労務管理のセミナーや研修で一時期、このネタを鉄板にしていたことがある。
当時のマスコミ報道やKAT-TUNメンバーの発言によると、2年前の田中聖くんのジャニーズ事務所の解雇理由は「度重なるルール違反があり、注意をしても改まらなかった」とのこと。

ジャニーズ事務所の就業規則や契約内容を知る由もないが、服務規律として「副業禁止」は記載されていたのだろう。また、「常に品位を保ち、私生活上も含めて事務所のイメージを損なう行為をしないこと」などという趣旨の条文もあったと推測される。

「服務規律」に関する条文は、会社の思いをもっとも反映できる箇所。
働くにあたって何を大事にしてほしいか、最低限守ってほしいルールは何か。従業員の価値観や就業意識が多様化するなか、会社の秩序を守るために必要なことを明記する箇所。

服務規律が守れなければ、ときには従業員に懲戒処分が下される。
懲戒処分の段階は企業によるが、概ね「譴責」「減給」「出勤停止」「懲戒解雇」の4つ。いきなり懲戒解雇になることは稀で、大抵、何度か注意をし、始末書を取り、反省を促すという手順を踏むことになる。すなわち処分は「教育的指導」という側面を重視すべきであるし、懲戒解雇は最終手段であること。

この説明のために、
ジャニーズ事務所には恐らく「これを超えたら契約継続は不可能」というラインがあったであろうこと、事務所は適切なステップを踏んでいたであろうこと、チーム活動において、ルール違反はやはりメンバーを不安定にさせるということ、
等々、セミナー等で暑苦しく語っていた痛いヲタ(汗)

ただ、決して、彼を馬鹿にしたくてこのネタを持ち出したのではない。むしろ、反省した人間を叩き続ける風潮の方が怖いことも、必ず付け加えるようにしていた。
私も懲戒処分案件に巡り合ったことがあるが、つらいよ。特に職場を去る事案については、「この判断の前に、まだ何かできたんじゃないか」って思うもの。だから「今回はこんな結果になってしまったけれど、再チャレンジの場に恵まれますように」と思いながら見送る。当時はKAT-TUNのメンバーも似たようなことを言っていたよね。

ということで、再度告知。
身近な(?)ネタを織り交ぜながら、今月、東京都中小企業振興公社様の女性向け事業承継塾にて、労務のお話をさせていただきます。詳細はこちら
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by miki_renge | 2015-11-08 23:23 | 雇用・人事

育休復帰プランナーのお仕事

最近の私の仕事について。
今年度、厚生労働省の「中小企業のための育休復帰支援プラン導入支援事業」の育休復帰プランナーとして活動している。

育児休業はだいぶ一般的になってきた感はあるものの、まだまだ、
「この忙しいなか、休業を申し出るのは申し訳ない」とか、
「復帰しても、育児との両立に自信はない」
という理由で退職を選ぶ女性は多い。
第一子退職時に退職してしまう女性は実に6割。この数字は20年ほど変わっていないとのこと。

育児休業取得および復帰しやすくするには、企業のマネジメントそのものを変えなければならない。
ということで、そのマネジメントを変えるためのヒントを提供させていただくのが、育休復帰プランナーの役目。
具体的には、「育休復帰プラン」の策定をお手伝いする。「育休復帰プラン」についてはこちらをご参照。

なお、この「育休復帰プラン」の作成だが、「中小企業両立支援助成金・育休復帰支援プランコース」という助成金を申請するときの条件の一つになっている。
この助成金は、育休取得時(3ヶ月以上)に30万円、育休復帰時後6ヶ月以上勤務したときに30万円、計60万円が中小企業事業主に支給されるもの。
他にもいくつか要件はあるが、産休に入る予定の社員さんがいる企業にとっては、大変申請しやすい助成金と思う。

こちらの「支給申請の手引き」をご覧になって、「あ、行けそう!」と思ったら、まずは育休復帰プランナーをお呼びください。全国に40名います。
もちろん、助成金申請の予定がなくても、支援だけでも大歓迎。
一緒に「育児休業を取りやすくする仕組みづくり」を考えられたら、こちらもうれしい。
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by miki_renge | 2015-08-21 22:32 | 雇用・人事

妖怪労働基準法

あっという間に6月。早いものですねー。
自分のHPとリンクしました。といっても、結局あまり変わらないかも^^;

さて、本日のお題は「妖怪ウォッチ」。
我が家の小4次女も大好きである。
「妖怪ウォッチ」の人気の秘密は既に至るところで分析されている。親しみやすいキャラクター、分かりやすいネーミング、そして意外に奥深い…あんなかわいらしい「ジバニャン」が、実は地縛霊でとても悲しい過去を背負っているのを知ったとき、「表面だけで判断してはいけない、皆、何か背負って生きて(?)いるんだ」と、しみじみ思ったものだ。

先週金曜も、夢中になる次女の近くで、夕食の支度をしながらアニメを見ていた。
そこで知った衝撃の事実。
この日は、妖怪労働組合の妖怪たちが絶対に働いてはいけない日「妖怪ホリデー」だったのだ。
妖怪の働き過ぎを防いだり、妖怪を働かせすぎるブラックなご主人様から妖怪を守るため、妖怪労働基準法で決められているらしい。

人間にとっては、どのメダルを使っても妖怪たちを召喚できないということだが、これだけの強制力があるのは素晴らしい。休日、どれくらいの頻度なんだろう?

ただし、この適用になるのは妖怪労働組合の組合員のみ。ジバニャンは組合員だが、ウィスパーはそうではない。
人間界で考えるなら、ウィスパーは被雇用者ではなく、フリーの妖怪ということだろうか(注:日本の労働基準法は、非組合員にも適用される)。いや、組合のポリシーに共感しないとか、組合費がやたら高額とか、そんな理由だろうか。

そもそも、妖怪って労働者なのか。労働の対償たる賃金は誰からもらうんだ?ケータが払っている様子はないし…召喚しまくっているケータこそブラックなのか?と考え続けるとドツボ。

「妖怪ウォッチ」って、ときどきこんなふうに人間界をチクリと風刺するパロディがあって、大人が見ていてもなるほど、と思う。サブカルネタもてんこ盛りで、あまりお上品ではないけれどつい見てしまうのは、やはりコンテンツに魅力があるからなんだろう。
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by miki_renge | 2015-06-03 12:02 | 雇用・人事

THE就業規則

このところ、就業規則に関するお仕事も増えてきている。
守秘義務があるのであまり書けないが、私が関わっているのはだいたい次のパターン。

1.社員は10人に満たないけれど、労務トラブルがあるため、何とか対応したい
2.社員が10人を超えたから、急いで就業規則を作ったけれど、これで大丈夫か確認したい

どちらも、一般的に見ても多いパターンだと思う。

まず1。
労働基準法上は、常時働いている人が10人に満たない事業場には、就業規則は不要。けれど、こういう小さなところこそ、就業規則が必要だと個人的には思っている。
なぜなら、1人がルール違反をしたら、それが広まるのは速いから。いわゆる「腐ったみかん」の法則である。

2は、その意欲については高く評価されるべきものだと思う。社長自ら本を読み、ネットなどでも情報収集し、勉強しているケースが多い。が、その会社の実態に即していない条文も目立つ。
従業員のために最大限配慮して作られたルールが、会社の財務内容を著しく悪化させるのでは…と心配になってしまうことも。その思いを尊重しつつも、片方で決算書の人件費比率などを勘案すると、うーん、ちょっとねぇ…と思ってしまう。
この着地点を提案するのが、社労士であり診断士である自分の仕事なのだろうけど。

さて、その関連で読んだ、就業規則の関連本のご紹介。
1.「すごい就業規則! ──ダメな職場がよみがえる「社長の本音」ルールのつくり方
 本来人事権は社長にある、ブラック社員に振り回される必要はない!と確認できる本。
2.「サッと作れる零細企業の就業規則
 条文数22条で作れる就業規則。これくらいシンプルでいいんだよね。
3.「「ブラックホール社員」がベンチャーを飲み込む
 読みやすい。ストーリーで分かるのが良い。
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by miki_renge | 2014-03-05 18:44 | 雇用・人事

同じ方向を見て働きたい:「ダンダリン」より

10月からこっち、ドラマは結局、「ダンダリン」「陰陽屋へようこそ」「変身インタビュアーの憂鬱」の3本を見ている。加えて「八重の桜」も。時間がなくなるわけですね…

先週はそのうちの一つ「ダンダリン」の最終回。
何のために働くのか、考えさせられた回だった。

ドラマを見ていてつくづく思ったのは、経営者と社員が対立構造になった会社は長くは続かないであろうこと。
「社員はできるだけ安くこき使う」なんていう経営者は、やっぱりどこかでしっぺ返しを食らうんだよね。
社員の疲れた顔なんて、ホントは社長も見たくないはずなのに…
飯野社長は「社長になったとたん、金、金、金のために働く。それは資本主義だからだ」と言っていたけれど、そしてそれは否定しないけれど、社員って利益を上げて幸せを手に入れるための仲間じゃないのかなぁ。

社長と社員が同じ方向を向いていないと悲しいよね。

で、結局、飯野社長は株主総会で解任されてしまう。
ときには監督官の敵として見られることもある社労士だけど、ここで、「健全な経営をし、雇用を拡大する企業の味方」という面も描いてくれたのは、とてもありがたいことだった。
「労働者の権利を守る」という、ダンダリンの信念とも、本来矛盾はしないはずなんだよね。

ただ、ダンダリンの学生時代の同級生であり、社労士の岸本の自殺は重いよね。
私が岸本の立場だったら…専門家としてその企業と、そこで働く従業員の雇用を守れなかったら…
もちろんそうならないようにお手伝いをしていくのだけど、責任の重い仕事だと、改めて身が引き締まる。

最後に。労基の仲間たちは最強だった。
「この人たちのために、この人たちを守るために頑張りたい」と思えるのが、一番幸せかもしれない。
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by miki_renge | 2013-12-15 18:24 | 雇用・人事

労働基準法第一条:「ダンダリン」より

昨夜の「ダンダリン」。
不覚にも、ラストで涙が出そうになった。

今回は某外食チェーンが舞台。
やたらと熱く、向上心をあおり、時間外に(自由参加の)研修を受けるのを推奨する社長。まぁそれだけならいいのだけど、問題は実質的に時間外の研修が強制となっているところ。そう、これでは社員は使用者の指揮命令下にあることになり、時間外賃金が発生する。賃金未払いの問題だけならまだしも(いや、大きな問題だな)、社員の疲弊度合いは尋常ではない。
結局、大量離職と大量採用が繰り返される…うーん、ありがちだなぁ。

このご時世、せっかく正社員になったのだから、何とか頑張ろう、
辞めたら次はない、
…そんな気持ちで働いて、生産性が上がるとはとても思えない。

社長のごまかし方は巧妙で、なかなか責め手が見つからず苦悩するダンダリン。
結局、正攻法(?)で、労働基準監督署の面々が、このチェーン店の店長会議に乗り込んで、店長の心の叫びを、社長に伝えることに。

そこでダンダリンが諭す言葉がとても良かった。
会社が嫌になったら、我慢するか、会社を辞めるか、会社員にはその二通りの選択肢しかないと言われている。
しかし、本当は3つ目の選択肢がある。言うべきことは言い、自分たちの手で自分たちの会社をより良いものに変えていくというものである、
と。

そして声高に叫ばれる労働基準法第一条。
「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」

労働基準法は、本来、労働者保護法。
日本でも、産業革命期に劣悪な労働条件で働かされる女工や若者が多くいた。彼らや、この対応として制定された「工場法」で対象外だった成人男性を含めて保護するために1947年にできた労働基準法。
この第一条は、過酷な労働で亡くなった多くの労働者の魂の叫びから生まれたもの。
時代にそぐわない部分もあるけれど、この理念は今こそ見直すべきものだなぁと感じた。
もちろん第二条の「労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない」も。皆で力を合わせて会社をよりよくしていくのは、まさにこの第二条の理念。

最近も研修で、労働基準法の講義を担当させていただきました。
実はもっとも好きなテーマの一つです^^
拙著にも、労働基準法の歴史には、若干触れています。
大学時代は労働法の時間が楽しみだったなぁ。社労士試験では危うく足切りにあうところだったけど^^;

…しかし、風間俊介くん、いけ好かない役だな(笑)
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by miki_renge | 2013-11-21 10:11 | 雇用・人事

「ダンダリン」

秋からのドラマはジャニーズ主演が目白押し。
仕事&家事時間確保のため、「ドラマは1クールに1本(ただしNHK大河ドラマは別枠)」というルールを決めている私にとっては、非常に悩ましい。

が、昨夜、こともあろうにジャニーズとは関係のない「ダンダリン」を見てしまった。
主人公(竹内結子さん)が労働基準監督官だし、悪徳社労士が出るというし、それによって中途半端な知識を視聴者に植え付けられても困る。社労士事務所の仲間と、「見た方がいいかなぁ」と話していたのだ(ちなみに、公務員の1.5倍の給与はいただけていない)。

ドラマの細かい内容については突っ込みどころもある。
まず、ブラック企業の社長が労基署に逮捕されていたが、いきなりこれはない。この手のものはまず臨検、是正勧告と言うように(←これはドラマでも話し合われていたが)段階を踏む。懲戒解雇に至るまで、始末書を取ったり、減給・降格したり、出勤停止にしたり…というのと同じ。
是正勧告を受けて戸惑う企業様には、「これを改善のきっかけにしましょう」とお話している。やり直す術はあるのだから。

労基署については巷でもいろいろ言われているように、一つひとつの案件に丁寧に対応するだけの体制はないと思う。だけど、さすがにあそこまで緩くないだろう(少なくとも私の知っている範囲ではそうだ)。

今回のブラック企業社員・西川さんの自殺未遂は、残業未払いというよりは社長によるパワハラが原因だよね。リフォーム会社は悪徳商法で儲けているらしいから、そちらから攻める手もあった。

でもまぁ、どんなにひどい会社で理不尽な仕事であっても、「前の会社が倒産して、やっと今の会社に雇われて、自分が働くしかない」と自分を奮い立たせる西川さんに対して、「会社にしがみつくより、命にしがみついたほうがいいと思います」と言い切るダンダリンは、格好良かった。

実のところ、社長が逮捕されたら会社そのものが立ち行かなくなる可能性があるし、そこで雇用されている人はどうなるんだという現実もあるので、西川さんのような告発は勇気が要る(在職中は抵抗ある)のだ。
今回は庇いようがないくらい社長が悪人として描かれていたから逮捕やむなしと納得できたけれど、社長自身も何か事情を抱えていたら、別の感想を持ったかも知れない。

さて、来週から見続けるかどうしようか。
亮ちゃんの「よろず占い処 陰陽屋へようこそ」も始まるんだよね。
でも、悪徳社労士(なぜか「相葉社労士事務所」)は気になる。

こんなドラマが成立しないくらい皆が幸せに働ける世の中になったら…と願って、拙著の広告を貼り付けておきます^^
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by miki_renge | 2013-10-03 12:27 | 雇用・人事

「介護退職」

楡周平さんの「介護退職」という本を読んだ。

総合家電メーカーで部長職にある会社員・唐木が、母親の介護問題をきっかけに生き方の転換を余儀なくされる。母親は秋田の過疎の町で一人暮らしをしていたが、雪かきのときに骨折してしまう。葛藤の末、東京にある唐木の自宅に引き取るが、いわゆる「企業戦士」である唐木は、結局は妻に全面的に頼らざるを得ない。中学受験生も抱え、妻も介護疲れで倒れてしまう。
社運を賭けたプロジェクトのリーダーであり、この成功によっては役員の椅子も手に入るであろうポジションにいるのに、唐木は、厳しい決断を迫られることになる。

…と、まぁ、こんなストーリー。

Amazonでは、残念ながら厳しいコメントが目立った。
実際、唐木が介護に向き合ったかどうかというと、実は奥さんに丸投げ状態。こりゃー奥さん、倒れるわ。「介護退職」というタイトルに違和感を持つ人がいてもおかしくない。この小説、奥さんの立場から書いた続編が読みたいと思ったのは私だけではあるまい。

もっとも、働き盛りの男性がこのような状況に追い込まれたら、妻(専業主婦か、自分より収入の低い場合に限るが、それがほとんどだろう)にお願いするしかないのは事実だろう。このケースは、妻がくも膜下出血を起こして倒れたけれど後遺症もなく…という、まさに「不幸中の幸い」というものだったが、これで妻に後遺症が残っていたら。いや、体が悲鳴を上げる前に精神的に参ってしまったら。あとは家庭崩壊だっただろう。

そう、唐木の場合は、幸運なパターンであった。
頼れる叔母がいた。弟夫婦がいた。そして日頃の働きぶりを評価してくれる上司がいた。
介護される母も、認知症とはいえ、徘徊が出ていなかった(骨折して動けなかったため)
何か一つ欠けても、泥沼状態だった。

でも、日本の至るところで、この「泥沼状態」にはまりこむ人はいるのだ。
最後の方で、閑職に飛ばされたときの上司である吉井が「いつ誰が、君のような状況に陥っても不思議じゃないというのに、そうした人たちを支援するシステムはおざなりになっている」と語るが、その通りなんだよね。

せめて拙著で書いた「コマギレ勤務」がもっともっと普及してほしい、その人がいないと仕事が回らないということがないようにと、願わずにいられない。
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by miki_renge | 2013-04-28 10:52 | 雇用・人事