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中小企業診断士・社会保険労務士。静岡出身、東京在住。社会人と高校生の娘あり。SMAPとKAT-TUNを応援中。


by miki_renge
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子供の長期脳死

先輩未熟児ママのみやこちゃんのブログで紹介されていた「長期脳死の愛娘とのバラ色在宅生活 ほのさんのいのちを知って」という本を読んだ。
生まれる寸前、お腹の中でへその緒が切れてしまったために仮死状態となり、長期脳死となった「ほのさん」を、在宅で育てているお母さんのブログが本になったものだ。
目は見えない、耳は聞こえない、自力ではご飯も食べられず排尿排便もできず、呼吸ですら人工呼吸器のお世話にならなければならない。でも確かに生きている「ほのさん」の成長日記。

一読して、いろんな思いがこみあげてきた。
医療や機械に頼らなければ生きていけない子供達の存在。
そんな子供を在宅で育てる途方もない苦労。
子供の臓器移植において、「ドナー」になりうる親の切なさ。
それでも、穏やかに、たくましく生きる「ほのさん」。

私も、長女が1歳半まで在宅酸素をしていたから、超重症児を在宅でみる苦労は、1万分の1ほどは分かる(気がする)。在宅酸素の機械がなければ、そして親が厳重に監視しなければ、長女は命を落とすかも知れない。そのプレッシャーの中での育児は気が抜けず、在宅酸素中はまともに寝た記憶がない。
ほのさんのお母さん、そしてお父さんは、1日交代で夜の当番をし、もっとたくさんの機械をチェックし、ほのさんの体調も併せてチェックしている。本には「どちらかが倒れたら持続不可能の綱渡りの生活」とあったが、そうだろう。しかしこのようなケースで支援を求めようとしても、「重度訪問介護」を受けるための壁はとてつもなく厚い。

そして、子供の臓器移植の可否を巡るさまざまな議論。
今すぐにでも移植を待っている子供がいることも知っている。
ドナー側が拒否すればいいでしょ、という考えがあることも知っている。
脳死で生きている人(子供含め)が、「生きているんじゃなくて、生かされてるだけでしょ」と思われがちなことも。
でも、ほのさんの存在に思いをはせると、「脳死=人の死」と決めつけることがいかに危険なことか、改めて考えてしまう。
生って、死って、一体何なんだろう?と思わずにはいられなかった。

今はほのさんが元気で過ごせること、そしてほのさんのご家族の負担が少しでも軽減されることを心から願う。

【追伸】
ほのさんの近況は、こちらのブログで読めるようです。
by miki_renge | 2010-03-28 12:55 | 家族・育児